PET-CTに代わる次世代の全身がん検査
体への負担も軽く、短時間で広い範囲の検査ができます。
名古屋市医師会健診センターでは、最新のMRI装置を導入し、短時間での全身検査が可能になったため2021年7月よりDWIBSドックを開始いたします。
DWIBS検査は全身のがんを調べますが、特に尿路系がん(腎がん、尿管がん、膀胱がん、前立腺がんなど)の診断に適しています。一方、胃がん・肺がんの診断には比較的不向きだとされています。
そのため、胃部検査を含む人間ドックや、胸部CTとの併用受診をおすすめしております。
MRIを使用して体の広い範囲にわたってがんや転移を探す全身がん検査です。MRIの高性能化によって可能となりました。頚部~胸部・腹部・骨盤を1度の検査で撮影し、がんリスクを調べることができます。
DWIBS検査では拡散強調像という撮影方法を用いています。悪性腫瘍は細胞密度が高い(細胞と細胞の間が狭い)ことに着目し細胞間の水の動きをもとに悪性腫瘍を検索します。
この検査法は日本人医師によって2004年に開発された比較的新しい検査方法です。
全身がん検査といえばPET-CTがよく知られています。PET-CTとの比較は下表のとおりです。
特にメリットと言える大きな違いは被ばくの有無と、薬剤注射の有無です。
被ばくの心配がないことで、年に複数回の検査も可能です。
被ばく | DWIBS:なし | PET-CT:薬剤とCT撮影、二重の被ばく |
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薬剤・注射 | DWIBS:なし | PET-CT:検査薬(放射性同位元素)を注射 |
検査前処置 | DWIBS:なし | PET-CT:注射後安静1時間 |
検査後処置 | DWIBS:なし | PET-CT:放射能が下がるまで待機 |
検査時間 | DWIBS:30~40分 | PET-CT:注射を含め約3時間 |
その他制限 | DWIBS:MRIを受けられない方は検査不可 (ペースメーカー・閉所恐怖症等) |
PET-CT:糖尿病・腎不全の方は検査できない場合がある |
オプションとして人間ドックに追加いただく事もできます。
月~金曜日(祝日・年末年始を除く)
頚部:咽頭がん、甲状腺がん
胸部:食道がん、乳がん
腹部:肝臓がん、胆のうがん、胆管がん、膵臓がん、大腸がん、子宮がん、卵巣がん、尿路系がん(腎臓・尿管・膀胱・前立腺)
その他:悪性リンパ腫
MRIを受けられる方は受診可能です。
以下の該当者は、DWIBSを受けられません。
(1)心臓ペースメーカー、体内除細動器、人工内耳を装着している
(2)妊娠中、あるいは妊娠の可能性がある
(3)狭いところが苦手(閉所恐怖症)
(4)検査中(30~40分)静止できない
※手術により体内に金属が入っている場合は、材質により検査できない場合があります。