健康診断は、受診したら終わりではありません。受診後、いかに活用するかが重要です。
健康診断の目的はご自分の身体をよく知り、生活習慣病の予防や病気の早期発見・早期治療につなげることにあります。
結果を上⼿に活用し、⽣活習慣を振り返り改善するきっかけにして健康な毎日を過ごしましょう。
日常的に健康管理等をしてもらえる、かかりつけ医を持つことをお勧めします。気になる項目があったらかかりつけ医に相談してみましょう。
健診結果を自分だけで受け止めるのではなく、かかりつけ医に相談すればより的確な生活習慣のアドバイスがもらえます。
必要な場合は、専門医の紹介もしてもらえます。
ご受診頂いた健康診断の結果と実際に読影医が見ている画像をあわせて、具体的な所見内容(大きさ等)を確認していただく事ができます。
健診結果に関する様々な疑問に医師が1対1でお答えします。お時間はおひとり20分程度となります。
生活習慣病は、毎日の悪習慣の積み重ねにより知らない間に始まるものです。どのように生活を改善すればよいか等、お気軽にご相談ください。
結果個別相談は毎週木曜日、午前中に実施しております。
TEL (052)937-8425 <要予約>
意識的に運動をしないと、現代⽣活ではどうしても運動不足になりがちです。
運動をすることで、肥満・高血圧の予防、生活習慣病の改善に貢献し、骨も強くします。
それぞれの体力に合わせて、無理なく継続して行える運動をしましょう。
通勤や買い物、散歩などで、歩く機会を増やし普段の生活の中に上手に運動を取り入れましょう。
1日3食、腹八分目の量をよく噛んで食べましょう。糖質、脂質、たんぱく質をバランスよく食べましょう。
野菜から食物繊維をたくさんとりましょう。味付けは薄味にし、塩分控えめを心がけましょう。
お酒は適量を守り、週1日は休肝日を作りましょう。
喫煙は、心疾患、がん、脳⾎管障害、呼吸器疾患などの原因となります。
また、タバコのけむり(副流煙)は、あなたのまわりの人の健康も害します。
禁煙が望ましいのですが、喫煙場所を考えるなど、分煙の努⼒をしてください。禁煙外来を利用すれば楽な禁煙が可能です。
心身をリフレッシュしてストレスをためないようにしましょう。
仕事など同じ姿勢を続けるときには、伸びをするなど気分転換を図りましょう。
1日に10〜30 分でも自分の時間を持ちましょう。何もせずぼーっとするだけでもいいです。
好きな音楽を聴いたり、本を読んだり、散歩やスポーツで⼼地よい汗をかくのもいいでしょう。
疲れていると感じたら、短い時間でも休憩をとる、早めに帰宅して休むなど疲れをためないことが大切です。
生活と運動習慣の見直しを!
太れば太るほど、生活習慣病の発症率や死亡率が高くなるといわれています。
肥満ぎみといわれたら、減食の他、適度な運動を合わせ、健康的に肥満を解消しましょう。
<肥満ぎみの人の食生活の改善のポイント>
1.大食い、早食い、朝食抜きは厳禁。
2.夕食よりも朝食を充実させる、夜食はとらないなど、夜型の食生活を改める。
3.アルコールをとりすぎない。
4.ウォーキングやラジオ体操など、うっすらと汗をかく程度の軽い運動を習慣に。
減塩や禁煙など生活習慣の改善を!
高血圧の約90%は、原因不明の本態性高血圧だといわれています。
この本態性高血圧の人は、日常生活の改善が大切です。
とくに塩分のとりすぎや運動不足、肥満などを解消することが、症状の悪化を防ぐ最善の治療法といえます。
自己判断で治療をやめない!
降圧剤の服用を勝手に中止したり、自己判断で治療をやめる人がいます。
自覚症状はなくても、かえって身体に負担がかかることがあるので、必ず医師の指示に従いましょう。
<血圧が高かった人の食生活の改善のポイント>
1.食塩は1日10g未満を目安に
食卓に食塩を置かない、しょうゆ、ソースは小皿にとって使用する。
酢やレモン、香味野菜で味にアクセントを。
外食は塩分の少ない献立を。麺類の汁は残す。
2.温度差に注意して、血圧の上昇を防ぐ
外出時(とくに冬季)には衣類の調節で保温を。
朝の洗顔は冷水を避ける。
トイレや風呂場の脱衣所も保温し、入浴はぬるめの湯にゆっくりと。(40℃程度)
便秘対策をする。(排便時のいきみは血圧の急上昇を招きます)
3.嗜好品はほどほどに
なるべく禁煙することを推奨します。
アルコールもとりすぎないように注意し、ほどほどに。
4.ストレスを持ち越さない
一日のストレスはその日のうちに解消を。
趣味や交際などで生活にアクセントを。
散歩、ラジオ体操などの軽い運動で気分転換、肥満防止に。
5.月に一度は血圧測定を
家庭で測る時は、医師や看護師に血圧計の正しい使い方を指導してもらいましょう。
高エネルギー食品や動物性脂肪を控えめに
コレステロール値が高い場合には、動脈硬化症、ネフローゼ症候群、閉塞性黄疸、甲状腺機能低下症、
糖尿病などの病気や、他に肥満やアルコール性脂肪肝などが考えられます。
一方、数値が低い場合には、甲状腺機能亢進症、重症肝障害、出血性疾患などがあります。
コレステロールには、血管壁にたまり動脈硬化を促進する悪玉(LDLコレステロール)と、
悪玉を血管壁から肝臓へ運び去る善玉(HDLコレステロール)があります。
<善玉を増やし、悪玉を減らす食生活改善のポイント>
1.肥満を避ける。肥満は善玉コレステロールを減らします。
2.アジ・イワシなど青背の魚は血栓の予防に効果があります。
3.卵類を控えめに。鶏卵は1日1個以内。魚の卵(タラコ、スジコなど)も控えめに。
中性脂肪が高かった人は肥満に注意、炭水化物やアルコールを控えめに!
高中性脂肪血症も動脈硬化の重要な原因になります。甘いものや、アルコールの飲みすぎも要注意です。
<中性脂肪を増やさない食生活改善のポイント>
1.食事内容に気を配る
ラーメンライス、うどん定食など、炭水化物ばかりの食事の回数を減らしましょう。
2.食事時間に気を使う
深夜の食事は、肥満の原因になるばかりか中性脂肪も増やします。
夜の食事は控えめにして、その分翌日の朝食に回しましょう。
3.間食は控えめに
ケーキ、おまんじゅうはもとより、缶ジュース、砂糖入りのコーヒーなども注意。
甘い紅茶も飲む回数が多ければ無視は出来ません。
4.アルコールを取りすぎない
酒は百薬の長とも言われますが、飲みすぎはいけません。
肝臓をいたわる生活を心がけましょう
肝臓に異常があると、主に血液検査の中のAST、ALT、γ-GTの数値が高くなります。
原因として、肥満、アルコールの飲みすぎ、抗生物質その他の薬剤の副作用、
肝炎ウィルスの感染などがあげられます。
正しく治療せずに放置しておくと、肝硬変、肝臓がんへと進む危険もあります。
自己管理のポイントは、不摂生な生活を正し、肝臓をいたわる生活を心がけることです。
<肝臓をいたわる食生活改善のポイント>
1.良質なたんぱく質の食品をとる。(魚、大豆食品、脂身の少ない赤身用の肉・ささみ)
2.脂肪の多い食品は控えめに
3.米、パン、めん類などの主食は普通量をとる。(単品より、定食にしましょう。)
4.野菜、果物、海藻などに含まれるビタミンやミネラルは、肝機能の回復を早める。
5.禁酒が最良、飲みすぎは厳禁
飲む場合も適正飲酒量(日本酒1合、ビール大ビン1本、ウィスキーダブル1杯のいずれか)を超えないこと。
食生活を中心に、生活の自己コントロールを
精密検査などで明らかに糖尿病と診断された場合も、まず食事療法と運動療法が大切です。
といっても自己流では効果が薄かったり逆効果になる可能性もあります。
必ず医師の指導、チェックの下に行ってください。
とくに糖尿病の90%を占める2型糖尿病(インスリン非依存型)の場合は、
食べ過ぎ、運動不足、ストレス、肥満の解消がカギとなります。
糖尿病は自覚症状がでにくい病気ですが、放置すると様々な合併症にかかる恐れのある、こわい病気です。
気長に一生つきあうつもりで治療を続けましょう。
合併症・併発症に注意
糖尿病がこわいのは、他の病気との合併症や併発症を引き起こしやすいことです。
とくに注意しなければならないのは、動脈硬化による血管合併症です。
網膜の血管が侵されると、糖尿病網膜症など失明の可能性もあります。
また、脳や心臓、腎臓の血管が侵されると、腎不全をはじめ、
脳梗塞、心筋梗塞などの危険にさらされる可能性も高くなります。
下に示した食事のポイントに留意し、血管を守る食生活を心がけてください。
<糖尿病を悪化させない生活習慣のポイント>
1.”歩く”習慣をつけよう
糖尿病にとって肥満は大敵。ただし、過激な運動は避け、無理なく長続きするものを。
まずは1日1万歩、歩くことを目標に。
2.アルコールのとりすぎに注意
糖尿病の治療では、一日のエネルギー制限を守ることが大切です。
アルコールは高エネルギーのうえ、食欲増進の作用もあるので、
ついついエネルギーオーバーになりがちです。
医師の指示に従って、酒量を決めましょう。もちろん1日のエネルギー量も医師にご相談下さい。
<血管合併症を予防する食生活のポイント>
1.動物性脂肪を控える。
2.植物性たんぱく質を多くとる。
3.食物繊維を積極的にとる。
4.青背の魚(サバ、イワシなど)は血栓予防に効果的。
・コレステロール値を下げ、また体内の有害成分を吸収する効果があります。
5.糖尿病になると、骨がもろくなります。カルシウムを十分に。
6.薄味料理で塩分を控えめに。
食品の偏りを避け、肥満を予防することが第一
尿酸が腎臓からうまく排泄されなかったり、過剰に作られると、
血液中の尿酸が増え、高尿酸血症を起すことがあります。
さらに尿酸値が高い状態が続くと、足の親指の根本の関節などに尿酸が結晶となって沈着し、赤く腫れ、
激痛を起こす痛風を発症する可能性もあります。
また、動脈硬化を促進し、心臓や腎臓に悪影響を及ぼします。
とくに30~60歳代の男性で、高血圧症や肥満ぎみのタイプは注意が必要です。
<高尿酸血症を予防する食生活改善のポイント>
1.食品の偏りを避ける。
2.痛風の原因となるプリン体の多い食品は控えめにし、調理の際はなるべくゆでてから食べる。
3.運動を習慣づけ、肥満を予防する。
4.野菜・海藻類を十分にとる。
5.酒は尿酸値を上げるので、適正飲酒量を守る。
とくに清酒、ビール、ワインはプリン体が多く含まれているので要注意。
適正飲酒量は、日本酒1合、ビール大びん1本、ウィスキーダブル1杯のいずれか程度です。
プリン体の多く含まれる食品
魚介類 … イワシ、アジ、エビ、貝類、タラ、マス、ヒラメ、ワカサギ、カマス、小魚類など。
肉類 … 肝臓などの臓もつ類、肉汁、ベーコン、牛肉、牛舌、豚肉、羊肉など。
原因を明らかにするのが先決
一般的には、鉄欠乏性貧血が多くみられますが、
貧血症状があるといわれたら、まずはその原因をはっきりさせることが第一です。
<貧血(鉄欠乏性貧血)ぎみの人の食生活改善ポイント>
1.インスタント食品や外食を控え、偏食をなくす。
2.良質なたんぱく質をとる。
3.鉄分を多く含む食品をとる。
4.葉酸・ビタミンB12・ビタミンCを多く含む食品をとる。
(※葉酸やビタミンB12は造血、ビタミンCは鉄吸収の促進に必要)
・葉酸:緑黄色野菜・牛・豚レバーなど
・ビタミンB12:牛・豚レバー・血合い肉・のり・貝類など
・ビタミンC:さつまいも・緑黄色野菜・いちご・みかん・柿・メロンなどの果物類
本当に胃・十二指腸に異常があるのか
ドックで受けていただく胃透視検査は、バリウムにより、胃の影を映し出して検査します。
所見があったからといって、必ずしも異常があるとは限りません。
以前の潰瘍の痕である場合もありますし、逆に本当にがんが見つかる場合もあります。
二次検査が勧められている場合には、胃内視鏡検査で、胃の内側からの検査を受けて下さい。
一次検査で胃内視鏡検査を受けられている場合は、ほぼ確定診断がつきますので、
結果の指示に従ってください。
心電図はあくまでも間接的な検査
心電図の所見すべてが狭心症や、心筋梗塞などの冠動脈疾患に関係するわけではありません。
そのまま様子をみていただいてかまわない場合も、多いです。
冠動脈疾患と関係があるかもしれない所見、その他心筋症や弁膜症を疑う所見の場合には、
二次検査をお勧めしていますので、運動負荷検査や、心エコー検査、ホルター心電図検査をお受けください。
カルシウムを摂りましょう。運動も大切です
平均寿命の延長とともに、特に閉経後の女性の骨粗しょう症は気をつけたい問題です。
高齢者の寝たきりの原因のうち約20%が骨折といわれています。
中でも大たい骨という、太ももの骨の骨折により寝込んでしまうと、
それをきっかけに自分で歩けなくなってしまうことが多いのです。
別の検査もしてみましょう
骨密度検査法は一つではありません。前腕で測定する他に、
手の骨で調べるもの、腰椎で測るものもあります。
施設によって異なりますので、骨密度が低いといわれた場合は、比べてみてもよいでしょう。
<骨組しょう症を予防する生活改善のポイント>
1.乳製品を十分に摂取する
乳製品中のカルシウムは吸収されやすいのですが、
摂取される乳製品の量が少ないと、吸収できるカルシウム量も減ってしまいます。
2.スナック菓子や、インスタント食品などを控える
スナック菓子、インスタント食品、炭酸飲料にはリンが多く含まれています。
リンは体に必要な栄養素ですが、摂りすぎると、カルシウムが尿中へ多く排出されてしまったり、
またカルシウムの腸からの吸収を妨げます。
3.無理なダイエットをしない
食事量を極端に減らしたり、一種類の食品ばかりを食べるダイエットは、
栄養不足、カルシウム不足の原因になります。
4.煙草を控える
ニコチンは、腸からカルシウムを吸収しにくくし、カルシウムを尿中に排出してしまいます。
また、骨を作る細胞の働きを弱くしてしまいます。
5.適度な運動をする
適度な運動により、骨に重力の刺激を与えると骨は強くなります。